リハビリテーションに関するQ&A | 医療法人南谷継風会 南谷クリニック 岡町院

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リハビリテーションに関するQ&A

リハビリテーションについて

リハビリテーションとは

リハビリテーション(Rehabilitation)の語源は、re(再び、戻す)とhabilis(適した、ふさわしい)から成り立っており、リハビリテーションとは失ったものを回復すること、良好な状態に帰すること、治療や運動によって身体的、精神的にもと通りの健康な状態に回復することをさします。WHO(世界保健機関)は「リハビリテーションは障害(能力低下や社会的不利)及びそれにもたらす状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいる」としています。

理学療法士とは

理学療法士(Physical Therapist)は、身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職です。

アスレティックトレーナーとは

アスレティックトレーナーは、スポーツドクター及びコーチとの協力のもとに、競技者のコンディショニングを統合的にサポートします。主な役割として、競技者の健康管理、スポーツ外傷・障害の予防、スポーツ外傷・障害の救急処置、アスレティックリハビリテーション等があります。

運動療法とは

運動によって、神経系、運動器系、呼吸・循環器系、代謝系などの機能の向上、改善および維持を目的として行われる行為のことです。

物理療法とは

身体に物理的刺激(温熱・寒冷、電気など)を加えたことにより生じる生理的反応を治療に応用するものです。

 

牽引治療とは

腰や首、股関節などをゆっくりと引っ張っていく治療法です。背骨や首の骨(椎間板や椎間関節)にかかっている圧を減少させ、圧迫された神経により起こる神経症状(痛みや痺れ)を緩和させます。また、神経症状により固くなった筋肉を伸ばすことで、血液循環を促し、筋肉の柔軟性を高めます。

電気治療とは

神経・筋に電気刺激を加えると筋の収縮が起こり血行を改善します。血液循環を促し、筋肉の緊張を和らげることで、筋肉の痛み・神経痛を緩和させます。また、代謝を高め筋肉を使わないことによる減少(廃用性萎縮)を防止します。

寒冷療法とは

怪我をした際、炎症症状(腫れや、熱感)、内出血がある場合、また痛みの軽減などに適応となります。寒冷刺激により皮膚温が低下すると、血管が収縮し血流量は減少します。血流量が減少することで浮腫(腫れ)の症状を緩和させます。また、痛みに関する神経の伝達速度を低下させます。

温熱療法とは

温熱療法により抹消血管が拡張し、心拍数や心拍出量が増加することで血流の改善が期待されます。血流が改善されると軟部組織(筋肉や関節の動きに関わる部分)の伸張性増大、筋の緊張を緩和させます。温熱を加えることで新陳代謝を促進し、血流増進や創傷治癒を促進させる効果があります。それに伴い痛みの軽減を促します。

スポーツ傷害とは

スポーツにおけるケガ(傷害)は、外傷と障害に大別されます。外傷とは、骨折・打撲・捻挫・脱臼のように1回(ときには複数回)の外力によって生じた生体の異常です。障害は、1回の外力は小さいが、同じ部位に何回も繰り返し外力が働いたことなどによって生じた生体の異常で、腰痛、野球肘、シンスプリント(すねの痛み)などがあります。実際のスポーツシーンでは原因がわからないものや外傷と障害の区別が明確にできない場合もあるためこれらをまとめスポーツ傷害と呼びます。

分離症とは

腰椎分離症とは、腰骨の疲労骨折のことです。分離症は40年程前までは、先天的な奇形のひとつであるとか分娩時の骨折であるとか、疲労骨折とはかけ離れた考えでありました。1972年に日本整形外科学会が、スポーツによる過労性の骨障害であるのではないかとの推論を発表し、1990年前後になると、CTやMRIによる診断能力が向上し現在のような考えが確立したのです。スポーツでは腰を伸ばしたり捻ったりします。この伸展動作と回旋動作が腰椎の突起間部というところに機械的なストレス(とくに伸張ストレス)を集中させ、そこに骨吸収が起こることが分離症の始まりです。

 

野球肘とは

投球動作を繰り返すことによって生じる肘関節の障害の総称で、ひとつの病名を指すのではなく、離断性骨軟骨炎や骨端軟骨損傷、靭帯損傷など様々です。野球肘は、成長期の子どもに生じることが多く、野球肘を発症すると、長期間にわたり安静や投球制限が必要になる場合もあるため、早期発見や予防することが重要です。

ボールを投げる時、肘には大きな力が加わります。「手投げ、肘下がり」というような悪いフォームで投げると、肘に対する負担は大きくなり、その悪いフォームで投球数が多くなると、肘への負担はさらに大きくなります。肘の外側では骨同士がぶつかり、骨や軟骨が剥がれることがあります。内側では、靭帯が引き伸ばされることで、靭帯や成長軟骨が痛みます。さらに肘の後方では、骨同士の衝突やこすれによって疲労骨折や骨・軟骨の損傷が起きることがあります。野球をしていて、投球中や投球後に肘に痛みがあり、肘の曲げや伸びが悪い場合は野球肘が疑われます。痛みを我慢して投げ続けていると、症状が悪化して、手術が必要になることもありますので無理をせずに早めの受診をお勧めします。

テニス肘とは

正式には上腕骨外側上顆炎といい、肘の外側が痛くなる怪我のことです。テニスだけでなく、物を掴んで持ち上げる動作や、タオルを絞るといった動作で痛みが出現し、テニスのバックハンドストロークで肘の外側が痛くなる怪我として報告された事から、テニス肘と呼ばれています。

半月板損傷とは

半月板とは、膝関節の大腿骨と脛骨の間にあるC型をした軟骨様の板で、内側・外側にそれぞれがあり、クッションとスタビライザーの役割をはたしています。これが損傷すると、膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかりを感じたりします。ひどい場合には、膝に水(関節液)がたまったり、急に膝が動かなくなる“ロッキング”という状態になり、歩けなくなるほど痛くなります。スポーツなどの怪我から生じる場合と、加齢により傷つきやすくなっている半月に微妙な外力が加わって損傷する場合があります。

前十字靱帯損傷とは

膝関節前方亜脱臼によって前十字靱帯が切れたり伸びたりした状態のことです。
バスケットボール、サッカー、バレーボールなどで急激なストップ動作や方向転換、ジャンプ着地などで損傷する非接触型と、ラグビーや柔道などで接触した際に損傷する接触型があります。損傷するとスポーツ活動に支障をきたすことが多く、この場合は手術が第一選択となります。
半月板、関節軟骨、軟骨下骨の損傷を合併していることも多いため、受傷時に正確に診断し適切な治療方針を検討していくことが重要です。

足関節捻挫とは

そもそも捻挫とは、関節にかかる外力により非生理的運動が生じ、関節を支持している靭帯や関節包が損傷することです。そのうち足関節捻挫では足関節外側の前距腓靱帯(外くるぶしの前側)が損傷されることが最も多い病態です。靭帯の損傷程度によって、捻挫の程度を三つに分けています。靭帯が伸びる程度の損傷を1度捻挫、靭帯の一部が切れるものを2度捻挫、靭帯が完全に切れるものを3度捻挫と定義しています。

強い痛みがなくなったとしてもスポーツ活動などで負担が加わったときの痛みや腫れ、ぐらつき感などが残存する場合があります。その結果、関節内に二次的な傷が進行することがあります。このような関節内の傷は積み重なると変形性関節症というような(老化現象で関節の軟骨がすり減って関節が変形してくる)状態に至ることがあります。適切な時期に適切な治療を受けることでこういったリスクを軽減することができます。

腱板断裂とは

40歳以上の男性(男62%、女38%)、右肩に好発します。発症年齢のピークは60代です。
肩の運動障害・運動痛・夜間痛を訴えますが、夜間痛で睡眠がとれないことが受診する一番の理由です。 運動痛はありますが、多くの患者さんは肩の挙上は可能です。

五十肩と違うところは、拘縮、すなわち関節の動きが固くなることが少ないことです。 他には、挙上するときに力が入らない、挙上するときに肩の前上面でジョリジョリという軋轢音がするという訴えもあります。

椎間板ヘルニアとは

背骨をつなぎクッションの役割をしている椎間板という組織の一部が出てきて神経を圧迫することで症状が出現します。症状は、頚部や腰部に痛みが出現したり、上肢や下肢にしびれが出現したりします。感覚障害・筋力低下などで診断し、レントゲン撮影・MRI検査などを行い、診断を確定します。痛みが強い時期には安静を心がけ、内服やブロック注射等、疼痛が落ち着いてきたらリハビリテーションを行います。症状によっては手術を行うこともあります。

鵞足炎とは

鵞足とは、膝関節屈曲筋の縫工筋・薄筋・半腱様筋が膝の内側に付着するところです。この付着部の滑走不全などにより発症します。炎症が強い時期はステロイド注射をおこなうこともあります。再発予防のためにもストレッチや運動療法等も行います。

四十肩、五十肩とは

四十肩・五十肩とは俗称であり、おもに肩関節周囲炎のことを指します。中年以降に多くみられ、可動域制限や動作時痛、夜間痛などが出現します。関節を構成する組織に何らかの炎症が起こることが原因であると考えられていますが、原因は不明です。進行すると拘縮や凍結肩と呼ばれる、かなり可動域制限がある状態になります。自然に治ることもありますが、放置すると可動域の低下等、日常生活に支障をきたすことがあるため、運動療法や物理療法を行います。重症例では手術を行うこともあります。

変形性関節症とは

加齢を基盤として関節軟骨など関節を構成する組織に退行変性が起こり、関節の機能障害をきたす疾患の総称です。

よくある質問

施設について

Q. どんなリハビリテーションをしてもらえるのですか?
A.医師の指示に基づきその方の疾患や症状改善に必要な関節可動域訓練、筋力トレーニングやストレッチなどを行い、日常生活動作の獲得やスポーツ現場への早期復帰を目指します。

Q. 毎日、リハビリテーションしてもらえますか?
A. 基本的に通院いただく頻度は医師や担当者が必要に応じてお伝えいたします。なお、理学療法士が個別に実施する運動器リハビリテーションは原則予約制となっております。

Q. リハビリテーションは保険適用となりますか?
A.保険適応です。当院では医療保険で実施するリハビリとは別に、介護保険を使用する通所リハビリテーションも実施しております。

Q.リハビリテーションの予約を変更したいのですが?
A.診療時間中にお電話いただくか、当院2階のリハビリテーション室にお越しいただきその旨をお伝えください。なお、前回診察日や病名の起算日等診療上の都合によってはご予約をお取りいただけない場合がございます。

Q. 次のリハビリテーションの予定日までは何をすればよいですか?また、自宅でやることはありますか?
A.理学療法士やアスレティックトレーナーがお伝えしたエクササイズを可能な範囲で実施していただきます。

Q. リハビリテーションはいつまで続けられますか?
A.基本的には医師が決定いたします(運動器リハビリテーションは発症日または手術日から150日間の期限あり)。

Q. 今みてもらっているケガ以外にもリハビリをしたい場合はどうしたらよいですか?
A.一度整形外科を受診いただきその旨を医師にご相談ください。

Q. 他の病院で手術したのですが、リハビリだけで利用することは出来ますか?
A.当院では他院で手術をした方、または手術を予定されている方のリハビリも実施しております。ご希望の際は一度当院整形外科を受診いただきその旨を医師にお伝え下さい。

Q. リハビリを受けるときに着替えや運動靴は必要ですか?
A.基本的には必要ありませんが、脚を動かしたり患部を確認させていただく場合がございますので、動きやすい服装や患部を露出しやすい服装でお越しください。

Q. スポーツ動作のフォームや走り方なども見てもらえますか?
A.リハビリする上で必要であれば確認させていただきます。

Q. なかなか痛みがとれないがどうすればいいでしょうか?
A. 整形外科をご受診ください。「痛み」でお困りの方も多い事と思います。「痛み」により生活やスポーツに支障を来す場合、リハビリテーションの対象となります。「痛み」と一口に言っても、急性疼痛・慢性疼痛・安静時痛・夜間痛・圧痛・伸張時痛・収縮時痛・侵害受容性疼痛・神経障害性疼痛etc…山ほど種類があります。心理的要因が痛みに寄与していることもあります。リハビリテーションでは、これらの疼痛を詳しく分析して治療していきます。症状の改善に向けて、一緒にリハビリテーションに取り組んでいきましょう。

Q. 歩いていてふらふらするのはリハビリテーションで改善しますか?
A. 脚・腰の痛みや筋力低下によるふらつきであればリハビリテーションでの改善が期待できます。ふらつきの原因にもよりますが、筋力をつける運動やストレッチなどを理学療法士の指導の元、個人の症状に合わせた方法で行っていきます。

Q.  血圧が高いのですがリハビリテーションで改善しますか?
A.  高血圧、脂質異常、肥満などの生活習慣病の予防や治療にはウォーキング、ジョギングなどの有酸素運動が推奨されています。軽い有酸素運動を1日30分、または1週間で180分以上行うと良いという報告もあります。また運動により適正体重【BMI:体重(kg)/身長(m)2=25未満】の維持も高血圧の治療には大切です。ただし脳や心臓に合併症のある方は事前に医師と相談する必要があります。

Q. 血糖値が高いのですがリハビリテーションで改善しますか?
A. 運動療法により血糖値の改善が期待できます。1週間に150分以上の有酸素運動を行うことが進められており、若い人や心肺機能が高い人は負荷の高い筋力トレーニング(1週間に75分)でも効果があると言われています。また日常生活の中に運動を取り入れることも大切です(例:長時間座っている、寝ている習慣をやめるなど)。

Q.  筋力をつけるにはどうすればいいでしょうか?
A.  筋力をつける為には、運動、食事、睡眠をバランス良く行うことが大切です。筋力が向上する時期は運動により疲労した筋肉が回復するタイミングだと言われています。そのため、しっかり運動することも大切ですが、バランスの良い食事や生活習慣を整えることも筋力をつけるために必要です。

Q.  競技をしていて思うような動作ができないのですがリハビリテーションで改善しますか?
A.  改善させる必要があるのであれば改善するようにサポートします。当院のリハビリテーション科には理学療法士とアスレティックトレーナーがいます。それぞれ動作の観察や分析を得意とする職業です。リハビリテーションでは、まず柔軟性や筋力を評価し動作を観察・分析し怪我の原因を探します。その結果からなぜ思うような動作ができないのか、どうしたらできるようになるのかというのを一緒に考えて話し合い、必要な動作であればできるようにサポートします。また、当院にはフィットネスを併設しています。医療で保険を使って行う範囲ではないと判断した場合は自費にはなりますがフィットネスでアスレティックトレーナーがサポートすることもできます。

Q.  いわゆる「筋トレ」とはどんなことでしょうか?
A.  筋力トレーニングとは体力要素の一つとしての筋力の向上を主眼としたトレーニングを意味します。筋を太くするだけでなく筋出力、最大筋力、筋持久力の向上や骨・結合組織の強化、バランスの改善などがあり目的に応じた内容のトレーニングを行うことです。

Q.  スポーツリハビリテーションとはどんなことでしょうか?
A.  スポーツを行っている方が受傷後元のスポーツへ復帰するリハビリテーションのことで、アスレティックリハビリテーションとも言います。高いレベルで行う競技者だけではなく、レクリエーションレベルのスポーツを行う高齢者や健康維持のためにスポーツを行う中高年の方なども対象となります。受傷前よりも高い身体レベルで競技復帰することを目的とし競技復帰後の怪我再発予防や他の怪我発生の予防も行い、競技特性に応じたリハビリテーションを実施します。

 

 

 

 

 

 

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