「長崎がんばらんば国体」に参加して | 医療法人南谷継風会 南谷クリニック 岡町院

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COLUMN

「長崎がんばらんば国体」に参加して

2014.11.02コラム

 今年10月14日から3日間長崎国体に滋賀県の体育協会の派遣ドクターとして参加してきました(注)。内容は視察、選手の激励が仕事です。国体会場は競技ごとに長崎県内、佐世保、諫早など各地に分散しており、長崎駅前のホテルに連泊し朝早くから車での移動で各会場を転々とするなかなかハードなものでした。私が帯同した種目はウェイトリフティング、アーチェリー、体操、カヌー、自転車競技、レスリングと多岐にわたり、各々の会場で選手の熱い戦いを目の当たりにしてきました。国体は各都道府県の代表の戦いであり、全国レベルの選手の戦いだけあってなかなか見応えがありました。

 各選手や監督と試合後話をする機会があり、色々話を聞いてきましたが、やはりスポーツで代表になるだけあって、運動神経や体格はもちろん、礼儀などもそれなりに備わった選手が多かったように思います。中にはあどけない中学生の少年もいて(体操の選手でしたが)このような選手が県の代表として国体に参加していることに驚かされました。アーチェリーの会場では決勝戦を観戦しました。滋賀県代表と神奈川県代表の一騎打ちです。アーチェリーは実際の試合を見るのは初めてで、ルールが全く分からなったのですが、70m離れた的に3名の選手が各々2回ずつ矢を放ち当たった点数を競うものです。残念ながら滋賀県代表は僅差で敗れ準優勝に終わりましたが、直径122cmの的に70m離れた場所から見事に当てていく様に驚かされました。122cmの的に当てるだけでも大変なのに中心のわずか20cmの的―10点満点―に数多くの矢を当てていく技というか集中力というか、すごいものを感じました。矢を射っていく様子を見て気付いたのは、矢を放つ瞬間まで上半身が微動だにしないこと。さらには確かに上半身は動かないのですがそれを支える下半身、腰を中心とした下半身がしっかりと固定されていることです。腰はすべての運動の基本と言えますが、やはりここでもそれが示されていました。

 3日間色々な競技を見て、スポーツの素晴らしさというか、鍛錬することの素晴らしさを感じることができました。トップレベルの選手たちの競技を見て、またその選手たちとの出会いは、自分が普段行っている診療にその像を重ねてみれば、人間の本来持つ能力には、計り知れないものがあり、ひいては私たち普通の人間においても、スポーツを行うことにより健康寿命の延伸を図ることが可能であることを思い気づかせてくれます。国体に出場した選手たちは鍛えられた肉体と恵まれた運動神経により、一つの目標に向かい結果を出していきます。私たちもウォーキングを行ったり体操をしたりすることで、より健康な生活を獲得することが可能です。医師としてこの人間の持つ長寿できる能力を十分に発揮してもらうために、運動の重要性をあまねく広めていく必要があると痛感した3日間でした。皆さんも国体に参加するわけではありませんが、健康寿命をまっとうするため大いにスポーツを楽しみ人間の持つ潜在能力を限界まで引き出して頂ければと思います。(注)私は滋賀県民歴24年です。

南谷クリニック副院長 南谷哲司

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